フラメンコギターはフラメンコ以外の音楽でも使えるか?

フラメンコギターというと、その名の通りフラメンコで使うんでしょ、となりがちと思いますが、他のジャンルの音楽で使うのはどうか。個人的な意見ですが、全くアリと思います。「アリ」の理由についてと、他のジャンルで使う際のデメリットなどを書いていきます。

ナイロン弦ならクラシックギターという固定観念がある?

「フラメンコギターはフラメンコで使うんでしょ」というのは、固定観念かも知れません。クラシック音楽やフラメンコを目的としていないギタリストが、ガットギターやナイロン弦のギターを入手しようとする際、その候補はクラシックギターとなっている事がほとんどのように思います。エレガット、という場合も同様。これも払拭した方が良い固定観念かなと思います。

フラメンコギターは出回っている数が少なく、存在が知られておらず、固定観念というよりも、ガットギター/ナイロン弦となると、無条件にクラシックギターとなってるのかも知れません。フラメンコギターの選択肢無しという状況しょうか。

この状況は非常にもったいない事と思い、場合によってはよろしくない選択をしていることもあるかもしれません。ナイロン弦のギターの音を音楽に取り入れたい場合、フラメンコギターもその候補に入れるべきと思うのですが、まずはフラメンコギターの特徴を以下に。

フラメンコギターの特徴。クラシックギターとの違い。

以前も記事にしましたが、フラメンコギターの特徴を簡単にさらっておきます。

以前の記事は→フラメンコギターについて、特徴や種類、他との違い

クラシックギターと比較しての違い、という観点からになりますが、

  1. 音の立ち上がりが早い
  2. 響きの違い。ひびきの成分が少ない?
  3. ゴルペ板
  4. 弦高低く、ボディは薄目
  5. ネックは長い場合がある

という特徴があります。

フラメンコギターをフラメンコ以外で利用するメリット

上記にあげた特徴から、フラメンコギターをフラメンコ以外で利用するメリットを書いていきます。

1,フラメンコギターは音の立ち上がりが早い

踊りの伴奏を即興的に演奏するために、素早く反応して、素早く音を伝えるという目的があるギターです。弾いてみないと分からないかも知れませんが、クラシックギターでは反応が遅く、踊りの伴奏を演奏するのはしんどいかなと思います。同様にロックやポップスなど、リズムを強調した音楽の演奏にはフラメンコギターが適しているのではと思います。即興的な要素が入ってくる場合や、速いテンポでリズムの掛け合いを他の楽器とする場合などはなどは、なお更かも知れません。

下記のサイトでは、音の立ち上げり方(伸び方も)をグラフ図にして説明してます。

クラシックギターのしくみ:似ているけど違うフラメンコギター – 楽器解体全書 – ヤマハ株式会社 (yamaha.com)

2,フラメンコギターの響き方

(決して悪いという事では無しですが)クラシックギターよりも、響きの成分が少ないように作られています。特に中低音域でしょうか。これが独特の響きとなり、フラメンコさしらを出していて、良いのですが。これは、ギター以外に歌(カンテ)、踊りの足の音(サパテアード)、手拍子(パルマ)などと一緒に音楽を作り聴かせるための音質でもあると思います。ギターの響きも他と調和する必要があり、他を邪魔してはいけませんし、かき消されてもいけません。個人的に思う事ですが、歌との調和は特に抜群では無いかと。ガリガリ大音量で弾いても歌を消すことは無く、そっとつま弾いても歌の脇でそっと聴こえる音が出る傾向があります。

フラメンコ以外のジャンルの音楽でも同様の調和力を発揮してくれるのではと思います。歌との調和が良い点では、弾き語りにはクラシックギターよりも向いており、アコースティックギターにより近い使い勝手になるのではと思います。ジャカジャカコードをストロークしたい音楽なんかは音の立ち上がりも伴って、クラシックギターよりもクリアにリズムを聴かせられると思います。

3,ゴルペ板

演奏面や音質への影響はほとんど無いですが、ゴルペ板がある事で、ギターへの傷を防ぎやすくなります。ピックを使ってストロークをする場合や、その名の通りゴルペ奏法を使いたい場合に、(ある程度となりますが)気にせず演奏可能です。エレキギターやアコースティックギターのピックガードと同じですね。

4,弦高低く、ボディは薄目

クラシックギターと比較すると、フラメンコギターは弦高が低く、ボディの厚さが薄い傾向があります。これはアコギやエレキギター演奏者にもより扱いやすいと思います。特にクラシックギターの弦高は他のギターを扱って来た人にとって高すぎるかなと思います。演奏のしやすさは、人によりけりですが、音の違いよりも気になる点かも知れません。

フラメンコギターを利用する際に考慮するデメリット

フラメンコギターを他のジャンルの音楽で使うには、デメリットもあると思われ、それは先にあげたメリットと諸刃の剣とも思えます(ちょっと大げさ?)。

フラメンコギターの音質のデメリット

立ち上がりが早く、切れが良いのですが、サスティーンがありません。単音フレーズを伸ばしたい時など、エレキギターを扱って来た人にとってはストレスに感じるかも知れず、ゆったりとした伸びやかなメロディには不向きかも知れません。またクラシックギターよりもアタックが強く、響きが少ない傾向があるので、場合によっては他の楽器に埋もれやすく、アタックの音が目立ち、音程が分かりずらくなるかもしれません。

そして基本生楽器ですので、足元のエフェクターを駆使したり、手元にあるプリアンプのEQやボリュームを演奏中に調整できません。クラシックギターも同様ですが、ライブの最中に曲や場面によって音を変えるのは難しいでしょう。

フラメンコギターの弦長

フラメンコギターはたまに弦長が650mmを超えるものがあります。エレキギターやアコギと比べると650mmでも長目となりますが、655mmや660mmだと更に長く、かなり弾きにくいと思います。弦長が長ければ、低音の響きは多くなりますが、弾き心地も考慮する必要があります。

フラメンコギターのデメリットの対処方法

生楽器ですので、できればそのままの音かマイクで拾って演奏したいものです。しかし音質をちょっといじりたい場合は、エレガットという選択肢も良いと思います。ピエゾピックアップの音が嫌いという声を良く聞きますが、コンデンサマイクとブレンドできるタイプも多く、また生音が良い楽器の場合、伴ってピエゾから出る音も良くなると思います。フラメンコタイプのエレガットをとても良い音で演奏している方も見かけます。

またエレガットで無くとも、iRig Acoustic Stageなどのギターに簡単に取り付けられるマイク・プリアンプシステムを使用してエレガット化するのも良いと思います。iRigは僕も使った事がありますが、下手にエレガットを使用するよりも、生っぽい音が出てくれるように思います。エレガットやiRigであれば、マイクで生音を拾う場合よりも、ハウリングの対処がしやすくなる、というメリットもあります。

iRigのマイク部分
iRigのマイク部分

iRig Acoustic Stageのマイク部分はこのようにギターのサウンドホールに簡単に取り付けられます。

iRigの本体(プリアンプ)部分

iRig Acoustic Stageの本体というかプリアンプ部分。3種の音色設定以外に、ナイロン弦の設定を選ぶこともできます。

iRig Acoustic Stageは値段もそれほど高くないかなと思いますので、気になる方は提供元のサイトiRig Acoustic Stage – IK Multimedia | Hookup, Inc.を参照ください。

フラメンコギターの形状ですが、弦長が長いと弾きにくくなる場合もありますので、650mmのものを選択するのが他ギターを扱って来た人には良いのではと思います。ごくごくたまに650mm以下のものも出回っています。また先にあげたエレガットですが、カッタウェイの形状のものもあります。フラメンコギターは通常は12フレットでネックがジョイントされているので、ハイフレットを弾きにくいですが、エレガットであれば高音側へポジションを拡大しやすくなります。

まとめ

ガットギター、ナイロン弦のギターを選ぶ場合、フラメンコギターも候補に入れるべしと思います。他の楽器と一緒に演奏する場合、特に弾き語りの場合は、クラシックギターよりも相性が良い場合が多いと思います。演奏中に音を変えたい、ハイフレットを楽に弾きたいなどの場合、エレガットタイプも候補に入れると良いでしょう。

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