演奏動画 ウクレレソロ「赤鼻のトナカイ」フラメンコ奏法解説

ウクレレで演奏した「赤鼻のトナカイ」の演奏動画をアップしましたので紹介します。動画の後半には左手の運指を中心とした解説もあります。このページでは動画の解説では触れていいない、フラメンコギターで使われるような右手のテクニック、奏法について説明します。

赤鼻のトナカイ動画

まずは演奏動画をご覧ください。

ソロウクレレ「赤鼻のトナカイ」

初心者の方にはちょっと難しいかもしれませんが、ゆっくりのテンポから練習してみてください。動画では、左手運指を中心に解説していますが、右手の弾き方の一部について、以下に説明します。

解説:ウクレレでフラメンコ奏法

弾いている楽器はウクレレですが、フラメンコギターでよく使われるテクニックや奏法で演奏しています。動画内ではどこを押さえて、どの弦を弾く、という事を中心に説明していますが、ここでは、どのあたりがフラメンコ奏法、テクニックなのかを解説しておきます。

ウクレレでゴルペ奏法

ゴルペ奏法とは、ボディを叩く奏法の事です。フラメンコギターでよく使われるテクニックです。フラメンコ以外のジャンルのギターでもたまに使われますし、ウクレレでもやっている方をごくまれに見かけます。叩くと言っても、色々な叩き方があります。動画では右手薬指を使い、ウクレレのサウンドホールの下側を叩いています。

叩くだけなので、初心者の方でも出来ると思います。まずはやってみてください。音色やタイミングを複雑にすると難易度が上がるかもしれません。更には叩くと同時に弦を弾く、という事も音楽の幅が広がりますので、ぜひトライしてみてください。

ゴルペ奏法をやっている場所(動画内の時間)

演奏中叩いている場面は、0:04位、0:42位、0:47位、1:04位からエンディングで続けて、です。0:47では、薬指で叩くと同時に、ミュートした弦を人差し指でダウンで弾いているようです。

ゴルペ板について

ちょっと話がそれますが、フラメンコギターは叩く事が前提ですので、ボディに傷がつかないようにゴルペ版と呼ばれる板(主に透明でアクリル製が多い)が貼ってあります。ウクレレを叩きたいが、傷がつかないようにしたい場合、同様の板を貼ると良いかも知れません。ギターに張るためのゴルペ板は楽器店や通販で買えますが、ウクレレ用には作られていないようで売ってないみたいです。ギター用を購入して、サイズが合うようにカットという方法が良いと思います。

二種類のラスゲアード奏法

ラスゲアード奏法とは弦をかき鳴らす事です。ひと言だと分かるような、分からないような、ですが。どのように、という観点から説明すると「コードを複数の指でバラバラに素早く弾いていく」という感じになると思います。ラスゲアード奏法の目的は「一本の指やアップダウンのストロークでは弾けない速度でコードを弾く」「バラバラバラ、と音をつなげるような感じでコードを弾く」などなど。フラメンコギターで多く使われるテクニック、奏法ですが、クラシックギターでもラスゲアードと表現される奏法はあります。フラメンコとクラシックのラスゲアードは若干ニュアンスや目的が異なるように思います。フラメンコギター(特に踊り伴奏)では、鋭く一音一音をくっきり弾くのに対して、クラシックギターでは音がくっつくような感じで弾く事が多いように思います。ラスゲアード奏法は今回のようにウクレレで使っても良いと思いますし、フラメンコ、クラシックギター以外のギター、またはエレクトリックベースで使う方もいます。

ラスゲアード奏法は複数の弾き方がありますが、動画内では2種類のラスゲアードを使っています。

ラスゲアード奏法 その1

薬指、中指、人差し指をそれぞれダウンで、最後に人差し指アップで、4音鳴らすラスゲアードをしています。動画内の0:35位、次の展開に入る前のDのコードの2弦を半音ずつ下げて行く場面です。早い速度でコードを弾ける、という効果以外、普通にアップダウンで弾いたのとは違ったニュアンスを出すこともできます。というより出てしまいます。3回連続でダウンピッキングし、最後の1回だけアップとなるので、重たい感じが続いて、最後だけ軽い、という風に感じるのですが、どうでしょう。

フラメンコのテクニックではありますが、曲は全くフラメンコには聞こえないですよね。ウクレレという事もありますが、音楽のジャンルによらず、使える奏法/テクニックと思います。

ラスゲアード奏法 その2

親指でアップ、中指と薬指二本でダウン、親指でダウン、という動きで3音を鳴らすラスゲアードをしています。1:15位から最後まで、ラスゲアードを続けて弾いています。これまた速い速度でコードを弾く事が目的ですが、その1の方法よりも力強く音を出すことが出来き、また全部の弦を均一に鳴らすことが出来ると思います。

このラスゲアード奏法もその1と同様、フラメンコ以外の音楽のジャンルでも使い道はありますし、それぞれにニュアンスが異なりますので、音楽の場面によって使い分ける事が出来ると良いと思います。

まとめ

ゴルペ奏法もラスゲアード奏法もフラメンコギターのテクニックと言って間違いないと思いますが、どちらもフラメンコ以外のジャンルでも使えますし、ギターではないウクレレでも使えます。細かい弾き方や上手く弾くためのコツは何かの機会に別途動画を作成したり、記事に使用かと思っています。

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